こんにちは、当ブログの管理人、元高校球児のみっつです!
最近のプロ野球のバッター用のヘルメットを見て、何か変化に気が付きませんか?そうです、耳をカバーしている部分からアゴにかけて棒状のものが付いていますよね。
これはフェイスガードと呼ばれていて、ここ数年で付けている選手が多くなりました。
今回はプロ野球で付ける選手が増えている、フェイスガードについて特集します。フェイスガードをつける意味や効果、由来、アマチュア選手が付けられるか?といった事に触れていきますので、楽しみにしてくださいね。
■目次(クリックすると飛びます)
フェイスガードをつける意味や効果とは
まずは、フェイスガードとは一体何なのかを説明します。フェイスガードの正式な名称は「Cフラップ」といい、アメリカのマークワート社製で、カシマヤ製作所が日本での輸入代理店となっています。
フェイスガードは、既存のヘルメットにネジで後付けするものです。現在、日本のプロ野球界でも一般的となったフェイスガードですが、何のためにつけているのでしょうか。
その理由はズバリ「顔面付近にデッドボールを受けた際に怪我を防止するため」です。
顔面へのデッドボールで怪我をした選手といえば2017年に巨人の吉川投手の投球が阪神の鳥谷選手の顔面に当たり、鼻骨を骨折したシーンが有名です。
試合に出続けなくてはならない選手にとって、デッドボールによる怪我は非常に怖いものです。
実際にフェイスガードをつけている選手の声として
横浜の筒香選手は「当たらないようにという予防。恐怖心がなくなった。」
日ハムの中田選手は「直接当たることを考えたら絶対あったほうがいい。」
といった具合に、強打者達がフェイスガードをつける理由と効果を話しています。(所属等は2019年9月現在)
また、巨人では、バントをする機会の多い投手陣が打席に入る際に怪我の防止と恐怖心が無くなるという理由でフェイスガードをつけさせています。
相手投手から厳しく責められ、踏み込んで強振をする強打者や打席に入るセ・リーグの投手にとって、フェイスガードにより得られる安心感は大きいものなのかもしれません。
その他にも
ヤクルトの宮本コーチ「視野が狭まり落ちる球を振らなくなる。」
と話しています。視界が悪くなりそうと思いがちですが、集中力を高める効果もあるようですね。(所属等は2019年9月現在)
一方で、ソフトバンクの柳田選手をはじめ、スィングフォームが崩れることや視界が狭まるのを嫌がり着用しなかったり、着用をやめる選手もいます。
フェイスガードをつけるかどうかは打者の判断によりますが見た目通り、怪我を防いだり安心感を得る効果があるのは確かのようです。
フェイスガードの由来って?
フェイスガードの発祥はアメリカです。
メジャーリーグでは、1970年代以降、顔を怪我をした選手がアメフトのヘルメットのようなガード付きのヘルメットを被り試合に出場することがありましたが、怪我を悪化させない目的で着用したものでした。
現在のような広がりを見せたのは、ヤンキースのスタントン選手がつけ始めたからだと言われています。スタントン選手は、マーリンズ時代の2014年に頭部に死球を受け、そのシーズンの残りを棒に振りました。
復帰した翌2015年のシーズンから着用を始め、2016年から今の形となり、他の選手にも一気に広がりました。
日本では、1979年に近鉄時代のマニエル選手が、デッドボールを顔面に受けてアゴを骨折した際にアメフトのようなヘルメットを着用したことがありました。
現在の形に近いものでは、2007年にロッテ時代のズレータ選手が着用していました。最近では、2017年からヤクルトのバレンティン選手が着用し始め日本人では、2018年から広島時代の丸選手が着用したことにより、他の選手にも浸透しました。
フェイスガードはアマチュア野球では使える?
プロ野球界では一般的になったフェイスガードですが、甲子園などを見ても着用している選手は1人もいません。そこで、アマチュアでも着用を認められているのか調べてみました。
結論から言うと、小学生から社会人に至るまで、硬式・軟式に関わらずアマチュア野球では着用を認められていません。
アマチュア野球には日本学生野球協会(高校・大学)、日本野球連盟(社会人)等の協会や連盟がありますがいずれの協会・連盟でも、打者用ヘルメットについてはSGマーク認定品であることが義務付けられています。
これは選手に対する安全確保と、製品の欠陥による人身被害の際の補償を目的としたものです。しかし、SGマーク認定品である打者用ヘルメットにフェイスガード取付け等の改造を行った場合SG認定が無効になるため、安全や保障がなくなります。
このため、アマチュア野球ではフェイスガード取付けを含むヘルメットの改造が禁止されているのです。
アマチュア野球を総括する全日本野球協会は、フェイスガードを禁止する見解として
・フェイスガードの安全性能が明確でない、
・視野の確保についての懸念
・守備選手との接触プレイやヘッドスライディングの際等の安全性の問題
・取り付けることによるヘルメットの本来の安全性能への影響
・安全に関する製造者責任が明確でなくなる
等の理由を挙げています。
現状はこのような形ですが、昔のプロ野球の映像等を見ると打者のヘルメットに耳当てもついていませんしバッティンググローブ、肘あて、レッグガード等も着用している選手もいません。
しかし、現在、これらはアマチュア野球でもほとんどの選手が着用しています。
今後、フェイスガードの安全性が証明されれば「解禁」の議論も起こると思います。そうなれば、数年後にはアマチュア野球でもフェイスガードの着用が当たり前の光景となっているかもしれません。
ちなみに、柳田選手がフェイスガードをAmazonで購入したと話して話題になりました。実際にAmazonを見てみると、3,000円~4,000円と案外リーズナブルな価格で販売されています。
草野球等ではフェイスガードを禁止されていないので、気になる人は購入してプロ野球選手の気分を味わってみるのも良いかもしれません。
おわりに
今回は、プロ野球で付ける選手が増えている、フェイスガードについて特集してきましたが、いかがだったでしょうか?
本来は顔を守るという目的ですが、集中力を高めるといった効果もあるようです。
今のところはプロの選手のみで認められていますが、安全性が確認されればアマチュアにも普及していく事でしょう。
スポーツはケガがつきものではありますが、もっと安全性を高めて少しでも安心して野球が出来る環境が出来るように願っています。
最後までお読みいただき大感謝!みっつでした。