こんにちは、当ブログの管理人、元高校球児のみっつです!
広島六大学野球連盟は、広島県内にある6つの大学で構成されています。その歴史は1967年から始まり、50年以上にもわたります。
今回は、広島六大学連盟を特集します。全加盟校や歴代優勝校のご紹介、さらに連盟に所属している大学の野球部からプロ野球に巣立った、主なOBについても触れますので、楽しみにしてくださいね。
■目次(クリックすると飛びます)
広島六大学野球連盟の全加盟校のご紹介
まずは、広島六大学野球連盟に加盟している6校の大学についてご紹介します。
近畿大学工学部
- 創部 1959年
- 優勝回数 51回
- 主なOB 佐々木修、佐野重樹、中本和希、中元勇作、森原康平
特色
近畿大学工学部は、広島六大学野球連盟の中で最多となる51回の優勝回数を誇ります。
リーグでの優勝回数は2位の倍と圧倒的ですが、リーグのレベルがさほど高くないためか他のリーグの強豪大学に比べると、OBのプロ野球選手は少ない印象です。
選手は広島県を中心に西日本の各地から集っていますが、必ずしも強豪校だけではないようです。
近畿大学本校は、レベルの高い関西学生野球連盟の中でも強豪で、全国大会でも輝かしい成績を収めています。
近畿大工学部は、広島六大学リーグの中では頭一つ抜けている感がありますので、全日本大学野球選手権や明治神宮大会などの全国大会の舞台が近いことや、リーグで活躍しやすいということは、大学野球で一花咲かせたい選手にとっていい環境かもしれません。
広島大学
- 創部 1949年
- 優勝回数 12回
- 主なOB 久保祥次、野々村直通
特色
広島大は、広島六大学野球連盟で唯一の国立大学です。一般的に、国公立大学は選手確保の難しさや学業との両立などからどのリーグでも苦戦しがちです。
しかし、広島大の12回のリーグ優勝は、かなり多い方と言えます。しかも、2018年春のリーグ戦でも優勝しており、近年においてもリーグ上位の実力を有しています。
部員数も多くなく、強豪校出身の選手も少ない上に、監督からの指導もほとんど週末のみとなっています。
それでも結果を出せているのは、選手が監督やコーチに頼らず「自主性」を持って、自分に必要なものは何かを考えて野球に取り組んでいるからだそうです。
大学野球の模範とも言える活動を続ける広島大には、今後も期待したいです。
広島経済大学
- 創部 1967年
- 優勝回数 28回
- 主なOB 小林宏、倉本慎也、平松一宏、柳田悠岐、尾仲祐哉
特色
広島経済大はリーグ2位となる28回の優勝回数を誇る実力校です。ソフトバンクホークスの柳田選手を輩出したことで、一時注目を集めました。
リーグ戦では大活躍をした柳田選手でしたが、リーグの注目度のせいかプロのスカウトの評価はそこまで高くありませんでした。
しかし、王貞治会長の「打球を1番飛ばせる選手は誰か」という鶴の一声で、他のリストアップ選手をおさえてドラフト指名されたという話は有名です。
近畿大工学部が独走体制の広島六大学リーグですが、広島経済大にも甲子園常連校出身の選手も数多く入部しており、近畿大工学部と選手の質には大きな差はありません。
近畿大工学部の独走体制に待ったをかける存在として広島経済大に注目です。
広島工業大学
- 創部 1964年
- 優勝回数 2回
特色
広島工業大学は、リーグでは2回の優勝がありますが広島六大学野球連盟では唯一、全国大会への出場がない大学です。
私立大ではありますがスポーツ推薦もなく、理系の大学として学業との両立などの条件面での厳しさもありここ10年ほど、リーグ戦ではほとんど最下位に終わるなど苦戦が続いています。
部員も広島県内や近県の高校の選手が主体で、野球強豪校出身の選手はほとんどいません。
リーグでの優勝を狙うのももちろん大事ですが、大学生としての本業である勉学に励み地元に貢献できる人間として成長する場として
また、野球が好きな大学生がノビノビとプレイできる環境などの面を考えると、広島工業大学のような大学も必要だと思います。
広島国際学院大学
- 創部 1967年
- 優勝回数 4回
- 主なOB 山口和男、隠善智也、宮崎敦次
特色
広島国際学院大学は、連盟発足当時は広島電機大学として活動していましたが、1999年に、現在である広島国際学院大学に校名が変更されています。
少子化による定員割れなどのため、今年度から新入生の募集を停止しており、残念ながら現在の2年生が卒業する2023年3月で閉校することが決まっています。
福岡ダイエーホークスにドラフト1位指名された山口和男選手などを輩出した大学ではありますが、閉校後は附属の短期大学部しか残らないようなので、広島六大学野球連盟への残留は難しいかもしれません。
加盟大学が固定されているリーグでの脱退は珍しいことですので、今後の広島六大学野球連盟の動きに注視したいです。
広島修道大学
- 創部 1960年
- 優勝回数 11回
特色
広島修道大学は、連盟発足当時は広島商科大学として活動していましたが、1973年に現在の校名に変更されています。
全国的な知名度は低い大学ですが、広島藩校の流れをくむ中国地方では有名な大学です。
リーグ優勝回数は11回ありますが、最後の優勝は1983年秋と、広島六大学リーグではリーグ優勝から最も遠ざかっています。
広島県内においては名門大のため、アナウンサーなどマスメディア関連の卒業生が多い大学ですが、これまでに野球部OBのプロ野球選手はいません。
リーグ戦では中位から下位の順位で終わることが多いですが、たびたび2位までは浮上しています。
今後は40年近く遠ざかっているリーグ優勝を狙いでしょう。なお、広島六大学野球連盟の本部は広島修道大学内に置かれています。
歴代優勝校のご紹介
次に、広島六大学野球連盟のリーグ戦の歴代優勝校について、リーグ戦が開始された1967年のものからご紹介します。
年度(西暦) | 年度(和暦) | 春の優勝校 | 秋の優勝校 |
---|---|---|---|
1967年 | 昭和42年 | 広島商科大 | 広島工業大 |
1968年 | 昭和43年 | 広島商科大 | 広島商科大 |
1969年 | 昭和44年 | 広島商科大 | 広島商科大 |
1970年 | 昭和45年 | 広島商科大 | 広島商科大 |
1971年 | 昭和46年 | 広島商科大 | 広島商科大 |
1972年 | 昭和47年 | 広島商科大 | 広島大 |
1973年 | 昭和48年 | 広島大 | 近畿大工学部 |
1974年 | 昭和49年 | 近畿大工学部 | 広島経済大 |
1975年 | 昭和50年 | 近畿大工学部 | 広島大 |
1976年 | 昭和51年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1977年 | 昭和52年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1978年 | 昭和53年 | 近畿大工学部 | 広島大 |
1979年 | 昭和54年 | 近畿大工学部 | 広島大 |
1980年 | 昭和55年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1981年 | 昭和56年 | 近畿大工学部 | 広島大 |
1982年 | 昭和57年 | 近畿大工学部 | 広島大 |
1983年 | 昭和58年 | 広島大 | 広島修道大 |
1984年 | 昭和59年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1985年 | 昭和60年 | 近畿大工学部 | 広島大 |
1986年 | 昭和61年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1987年 | 昭和62年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1988年 | 昭和63年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1989年 | 平成元年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1990年 | 平成2年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
1991年 | 平成3年 | 近畿大工学部 | 広島経済大 |
1992年 | 平成4年 | 広島経済大 | 広島経済大 |
1993年 | 平成5年 | 近畿大工学部 | 広島経済大 |
1994年 | 平成6年 | 近畿大工学部 | 広島経済大 |
1995年 | 平成7年 | 広島経済大 | 広島経済大 |
1996年 | 平成8年 | 広島経済大 | 広島電機大 |
1997年 | 平成9年 | 近畿大工学部 | 広島工業大 |
1998年 | 平成10年 | 広島経済大 | 広島経済大 |
1999年 | 平成11年 | 広島経済大 | 広島経済大 |
2000年 | 平成12年 | 近畿大工学部 | 広島経済大 |
2001年 | 平成13年 | 広島経済大 | 近畿大工学部 |
2002年 | 平成14年 | 近畿大工学部 | 広島大 |
2003年 | 平成15年 | 近畿大工学部 | 広島国際学院大 |
2004年 | 平成16年 | 広島経済大 | 広島経済大 |
2005年 | 平成17年 | 広島国際学院大 | 近畿大工学部 |
2006年 | 平成18年 | 広島経済大 | 近畿大工学部 |
2007年 | 平成19年 | 近畿大工学部 | 広島経済大 |
2008年 | 平成20年 | 広島経済大 | 近畿大工学部 |
2009年 | 平成21年 | 広島経済大 | 広島大 |
2010年 | 平成22年 | 広島経済大 | 近畿大工学部 |
2011年 | 平成23年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
2012年 | 平成24年 | 広島経済大 | 近畿大工学部 |
2013年 | 平成25年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
2014年 | 平成26年 | 広島経済大 | 広島国際学院大 |
2015年 | 平成27年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
2016年 | 平成28年 | 広島経済大 | 近畿大工学部 |
2017年 | 平成29年 | 近畿大工学部 | 近畿大工学部 |
2018年 | 平成30年 | 広島大 | 近畿大工学部 |
2019年 | 令和元年 | 近畿大工学部 | 広島経済大 |
2020年 | 令和2年 | コロナウイルスの影響により中止 | 広島経済大学 |
2021年 | 令和3年 | 広島経済大学 | |
※1973年に広島商科大から広島修道大に校名変更 | |||
※1999年に広島電機大から広島国際学院大に校名変更 |
学校別優勝回数ランキング
続いて、学校別にリーグ戦の優勝回数とランキングを紹介します。
順位 | 学校名 | 優勝回数(春・秋) |
---|---|---|
1位 | 近畿大工学部 | 51回(29・22) |
2位 | 広島経済大 | 28回(15・13) |
3位 | 広島大 | 12回(3・9) |
4位 | 広島修道大 | 11回(6・5) |
5位 | 広島国際学院大 | 4回(1・3) |
6位 | 広島工業大 | 2回(0・2) |
優勝回数は、2位以下に大差をつけて近畿大工学部が最多となっています。
広島六大学野球連盟出身のプロ野球選手
広島六大学出身のプロ野球選手は多くいますが、その中で私が印象に残っている3人の選手にスポットを当てたいと思います。
佐野重樹選手
- 出身校 近畿大工学部
- 生年月日 1968年4月30日
- 出身地/出身高校 愛媛県松山市/松山商業高校
- 投/打 右/右
- プロ野球歴
近鉄バファローズ(1991年~1999年)
中日ドラゴンズ(2000年)
オリックス・ブルーウェーブ(2003年)
佐野選手は愛媛県出身で、かつて全国的に強豪校だった松山商業高校を卒業後、近畿大工学部に入学しました。大学のリーグ戦10連覇に貢献し、最優秀投手賞を4度受賞するなど、エースとして活躍しました。
1990年に、近鉄バファローズからドラフト3位指名を受け入団すると、ルーキーイヤーから主に中継ぎで38試合に登板し、6勝をあげるなどの活躍を見せます。
その後も中継ぎ投手として活躍し、1996年のシーズンオフには、中継ぎ投手としてとしては日本史上初の1億円プレイヤーになりました。
その後、肘を故障し、日本人としては比較的早い時期にトミー・ジョン手術を受けました。
柳田悠岐選手
- 出身校 広島経済大
- 生年月日 1988年10月9日
- 出身地/出身高校 広島県広島市/広島商業高校
- 投/打 右/左
- プロ野球歴
福岡ソフトバンクホークス(2011年~)
柳田選手は、知らない人はいないほどの球界を代表するスラッガーです。しかし高校時代は、地元の強豪の広島商業高校でプレイしましたが、甲子園出場はありませんでした。
広島経済大学に進学後は、1年時の秋からレギュラーとなり、リーグ首位打者とベストナイン獲得しました。2年時から3年連続で大学選手権に出場するなど、全国の舞台も経験しています。
188cmと恵まれた体格の柳田選手ですが、高校時の体重は68kgとヒョロヒョロでした。大学時代にトレーニングを積み、現在の体の基礎を築き上げました。
大学通算82試合で、打率.428、8本塁打、60打点という輝かしい成績を残しています。
プロ入り後は、トリプルスリーや首位打者のタイトルを獲得するなど、その活躍ぶりは言わずもがなです。現在、3冠王に最も近い選手とも言われており、その活躍にはますます注目です。
森原康平選手
東北楽天ゴールデンイーグルス(2017年~)