常総学院高校野球部!2020年新メンバーや成績・監督や甲子園の活躍をご紹介

高校野球

こんにちは、当ブログの管理人、元高校球児のみっつです!

2020年11月24日、甲子園で夏2回、春1回の優勝経験を誇る前常総学院高校監督・木内幸男さんがお亡くなりになりました。

木内氏は茨城・取手二高校の監督として1984年夏、K・Kコンビ擁するPL学園高校を倒し優勝を飾ると、翌1985年からは常総学院高監督に就任します。

多少時間はかかりましたが2001年春に初の全国制覇を成し遂げると、2003年夏の甲子園ではダルビッシュ有投手がいた東北高校を破り優勝。この大会を最後に勇退されました。(のち2008年に復帰)

木内氏の教え子である島田直也監督率いる常総学院高は2020年秋季関東大会で準優勝を飾り、来春の甲子園出場を確実としましたが、その初陣を見届けることなく旅立たれました。

今回は常総学院高の2020年新メンバー、そして監督の経歴をご紹介します。




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今回ご紹介するにあたって、学校のホームページなどで出来るだけ正確な情報を心がけて調べてみましたが、一部不明な点や間違っている可能性もあります。
あくまでも参考情報としてご覧ください。

■目次(クリックすると飛びます)

常総学院高校の2020年新メンバーをご紹介!

まずは常総学院高のベンチ入りメンバーをご紹介します。

背番号名前学年ポジション出身中学校中学時の所属チーム
1秋本璃空投手2年生江戸川中央リトルシニア
2田邊広大捕手2年生川崎中央リトルシニア
3青木良弘内野手2年生稲城リトルシニア
4太田和煌翔内野手1年生千葉市リトルシニア
5伊藤琢磨内野手2年生那須野野ケ原ボーイズ
6三輪拓未内野手2年生東京城南ボーイズ
7小野悠人捕手2年生いわきボーイズ
8中村蒼外野手2年生竜ケ崎リトルシニア
9宮原一綺外野手2年生水戸東リトルシニア
10大川慈英投手2年生湘南ボーイズ
11伊藤地宏投手1年生京葉ボーイズ
12柴田将太郎外野手2年生埼玉SPベースボールクラブ
13加藤颯内野手2年生墨田リトルシニア
14岡野慎之助内野手2年生筑波ボーイズ
15塙紫音内野手2年生江戸崎ボーイズ
16手塚大翔内野手2年生栃木ヤングベースボールクラブ
17鳥山穣太郎外野手2年生日本大学第二中
18坂本駿投手1年生江戸川中央リトルシニア

ベンチ入り18人中、2年生が15人、1年生は3人。地元・茨城を中心に広く関東圏内から選手が集まっています。

1年生ながら背番号4番を背負う太田和煌翔(おおたわ・きらと)選手は中学時代U-12日本代表に選ばれた実力者です。同じく1年の左腕・伊藤地宏投手も中学時代に全国制覇を経験している、注目の選手です。

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常総学院高校の私のイチオシ選手

常総学院高校野球部ベンチ入りメンバー18人のうち、私のイチオシの選手としてエース・秋本璃空投手をご紹介しましょう。

秋季関東大会では1回戦で7回コールドながら完封、続く準々決勝では9回1失点完投、「勝てば甲子園出場」という試合できっちり結果を残しました。

決勝戦の群馬・健大高崎高校戦は打ち込まれましたが、大会終了後に行われた練習試合で強打が売りの秋季埼玉大会王者・昌平高校相手に6回を投げ無安打無失点の快投を見せます。

しかし秋本投手は結果に浮かれることなく「四球を4つも出したのが反省点」と口にする意識の高さを見せました。

決勝戦の結果を受けフォーム改造に着手したという秋本投手。ひと冬超え、どんなピッチングを甲子園で披露してくれるか、今から楽しみです!




常総学院高校2020年秋の公式戦の戦績

常総学院高校は、秋季大会茨城県予選から関東大会まで、エース秋本投手と2番手の大川慈英投手の2枚看板で勝ち上がってきました。大川投手は関東大会準決勝・東海大甲府高校戦で6回コールドながら完封勝利を挙げ、ポテンシャルの高さを証明しています。

日付大会名何回戦対戦相手スコア備考(県大会出場決定など)
2020年9月21日第73回秋季関東地区高校野球大会茨城県予選1回戦茨城キリスト高校〇7-2
2020年9月22日第73回秋季関東地区高校野球大会茨城県予選2回戦つくば秀英高校〇1-0
2020年9月26日第73回秋季関東地区高校野球大会茨城県予選準々決勝石岡一高校〇9-2
2020年10月3日第73回秋季関東地区高校野球大会茨城県予選準決勝藤代高校〇5-2
2020年10月4日第73回秋季関東地区高校野球大会茨城県予選決勝鹿島学園高校●3-4関東大会出場決定
2020年10月24日第73回秋季関東地区高校野球大会 1回戦前橋商業高校〇9-0
2020年10月27日第73回秋季関東地区高校野球大会 準々決勝木更津総合高校〇9-1
2020年10月31日第73回秋季関東地区高校野球大会 準決勝東海大甲府高校〇10-0
2020年11月1日第73回秋季関東地区高校野球大会 決勝健大高崎高校●7-9関東大会準優勝

打線も関東大会決勝・健大高崎高戦では敗れはしたものの、0-5から逆転するなど強打を誇り、投打のバランスの良いチームとなっています。

関東大会準優勝ということで、2021年春のセンバツ大会出場が濃厚となりました。出場が決定すれば2016年以来5年ぶり10回目の春の甲子園出場となります。

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常総学院高校の監督ってどんな人?

常総学院高校野球部を率いる島田直也(しまだ・なおや)監督についてご紹介しましょう。

島田監督は1970年3月17日生まれの50歳です。2020年7月、前任の佐々木力監督からバトンを受け監督に就任しました。

ご存じの方も多いと思いますが、島田監督は1987年春、常総学院高が甲子園初出場した時のエースです。春は1回戦で敗れましたが、続く夏の甲子園では見事準優勝を果たしました。

同年、ドラフト外で日本ハムファイターズに入団。同期の帝京高出身・芝草宇宙投手とともに「SSコンビ」として話題を集めました。プロではファイターズを皮切りに4球団でプレーしています。

1997年、横浜ベイスターズで最優秀中継ぎ賞のタイトルを獲得、翌1998年には中継ぎ投手陣の大黒柱としてチームの日本一に貢献しました。1999年にはオールスターに出場しています。

2003年に現役を退いた後は四国アイランドリーグ・徳島インディゴソックスでコーチ・監督を歴任しました。その手腕を買われ、2016年から2年間は古巣・ベイスターズで2軍コーチを務めています。

2020年3月、学生野球資格を回復させ母校・常総学院高の投手コーチに就任。前述のとおり、7月に監督に昇格しました。

島田監督の恩師・木内元監督はセオリーを度外視した選手起用・戦術を用い、その手法は「木内マジック」と呼ばれていました。しかしその実態は選手の調子・試合の流れを的確に読み、確証の上にサインを出していた、と何人もの教え子が証言しています。

島田監督も就任してから日は浅いのですが、それでも結果を残せたのは恩師譲りの観察眼の賜物でした。

例えば関東大会決勝で対戦した健大高崎高は機動力だけでなく、長打力も兼ねそろえた打線が売りですが、常総学院高は今年戦った公式戦9試合で本塁打は0本。圧倒的に不利ながらどうすれば倒せるかと考えたとき監督が出した答えは「ヒットが出なくてもつなぐ」ことでした。

出塁したら次の塁を盗むという意識を持ち、隙あらば塁に飛び込む・・・。常総学院高の選手のユニフォームはいつも土で汚れていました。

甲子園常連校というだけで甲子園には行けない。

常連校だからこそ、相手は眼の色を変えて倒しに来る。その気迫に怖気づいていては甲子園なんて夢のまた夢。相手に呑まれるなら、こっちが相手を呑んでしまえ。プロの厳しい世界を潜り抜けてきた島田監督ならではの信念は、選手の心に伝わっています。

前述したエース・秋本投手が見せた向上心は、島田監督の指導があったからこそではないでしょうか。

「課題はまだまだ。投手陣にも打線にも、やるべきことはいっぱいある」と語る島田監督の眼差しに悲壮感はありません。むしろ「どこまで成長してくれるのか」と楽しみにしているようでもあります。

「元プロ選手だけに『勝って当たり前』と思われるのがしんどい」と苦笑交じりに話す島田監督。プロ同期の芝草投手も期を同じくして新潟県・帝京長岡高校の監督に就任し、島田監督の初陣相手となったことはスポーツ紙でも大きく取り上げられました。




常総学院高校野球部の甲子園での戦績

常総学院高は春9回、夏は16回甲子園に出場しました。いずれも茨城県内の高校としては最多の出場回数を誇ります。

大会名回数勝敗数
春選抜高校野球大会9回13勝8敗
夏全国高校野球選手権大会16回28勝15敗
合計25回41勝23敗

春夏ともに優勝と準優勝をそれぞれ1回づつ経験。春は13勝8敗、夏は28勝15敗と大きく勝ち越しています。

大会名西暦
第59回選抜高校野球大会1987年1回戦敗退
第69回全国高校野球選手権大会1987年準優勝
第70回全国高校野球選手権大会1988年2回戦敗退
第71回全国高校野球選手権大会1989年1回戦敗退
第74回全国高校野球選手権大会1992年2回戦(初戦)敗退
第65回選抜高校野球大会1993年3回戦敗退
第75回全国高校野球選手権大会1993年準決勝進出
第66回選抜高校野球大会1994年準優勝
第70回選抜高校野球大会1998年3回戦敗退
第80回全国高校野球選手権大会1998年準々決勝進出
第73回選抜高校野球大会2001年優勝
第83回全国高校野球選手権大会2001年2回戦敗退
第84回全国高校野球選手権大会2002年3回戦敗退
第85回全国高校野球選手権大会2003年優勝
第77回選抜高校野球大会2005年1回戦敗退
第88回全国高校野球選手権大会2006年1回戦敗退
第89回全国高校野球選手権大会2007年2回戦(初戦)敗退
第90回全国高校野球選手権大会2008年1回戦敗退
第91回全国高校野球選手権大会2009年1回戦敗退
第94回全国高校野球選手権大会2012年2回戦敗退
第85回選抜高校野球大会2013年2回戦(初戦)敗退
第95回全国高校野球選手権大会2013年準々決勝進出
第87回選抜高校野球大会2015年準々決勝進出
第88回選抜高校野球大会2016年1回戦敗退
第98回全国高校野球選手権大会2016年準々決勝進出




甲子園での思い出の試合

私の常総学院高甲子園の思い出の試合として、2003年夏の甲子園決勝戦、対東北高戦をご紹介しましょう。

前段でも少しご紹介したこの試合、当時の木内監督が「選手を育てる情熱がなくなった」として勇退を表明し、最後の夏として臨んだ大会でした。

後に東北楽天ゴールデンイーグルス入りした坂克彦選手がいたものの、前評判は決して高くはありませんでした。しかし初戦で1年生エース・山口俊投手(現トロント・ブルージェイズ)擁する大分・柳ヶ浦高校を破ると勢いに乗ります。

智弁和歌山・静岡の両校を倒し臨んだ決勝戦・相手は2年生ながら背番号1を背負うダルビッシュ投手の東北高校でした。

2年生とはいえすでに実力が抜きんでていたダルビッシュ投手が居ることで下馬評は東北高校有利です。ついに優勝旗が白河の関を超えると注目を集めた試合は東北高が2回に2点を先制し、優位に試合を進めます。

しかし4回、常総学院高は2本のヒットで1死2・3塁のチャンスを作り、打席には4番・松林康徳選手です。強攻策を採った松林選手の打球は大きく弾むサードゴロでランナーが生還し1点差とします。これで気落ちしたのかダルビッシュ投手は連打を浴び、常総学院高が3-2と逆転しました。

8回にも1点追加した常総学院高が逃げ切り4-2で勝利をつかみ取りました。

試合後木内監督は「まさか優勝できるとは・・・」感極まり、「最後の夏で、こんなにツイていていいのか」と素直な思いを口にします。

もちろんそこは百戦錬磨の木内監督の謙遜です。冷静な分析力に裏付けされた勝負勘の監督と、花道を飾ってあげたいという選手の意気込みが一体となった会心の勝利であったことは、言うまでもありません。




常総学院高校野球部出身のプロ野球選手

常総学院高出身のプロ野球選手は2020年現在で11人誕生しました。

選手名卒業年度最初に入団した球団
島田直也1987年日本ハムファイターズ
仁志敏久1989年読売ジャイアンツ
金子誠1993年日本ハムファイターズ
大崎雄太朗2002年西武ライオンズ
横川史学2002年東北楽天ゴールデンイーグルス
坂克彦2003年東北楽天ゴールデンイーグルス
小池翔太2006年千葉ロッテマリーンズ
清原大貴2007年阪神タイガース
飯田大祐2008年オリックスバファローズ
内田靖人2013年東北楽天ゴールデンイーグルス
宇草孔基2015年広島東洋カープ
菊田拡和2019年読売ジャイアンツ

島田監督の他、1年生からレギュラーを掴んだ仁志敏久選手、プロで新人王に輝いた金子誠選手などがいます。

現役ではイーグルス期待の長距離砲・内田靖人選手や俊足が武器の宇草孔基選手が2019年ドラフト2位で広島東洋カープに入団しました。




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おわりに

今回は、常総学院高校の野球部を特集しましたが、いかがだったでしょうか?

島田監督は関東大会終了後、病床の木内元監督を訪ね、結果を報告しました。すると木内元監督は一言

「よくやった」

教え子の甲子園初陣を見届けることは叶いませんでしたが、きっと天国から多くの指導者仲間とご覧になられていることでしょう。改めて木内元監督のご冥福を心よりお祈りいたします。

最後までお読みいただき大感謝!みっつでした。