こんにちは、みっつです。
野球のピッチャーが投げるボールで、最近よく投げられているボールの一つがカットボールですね。よく聞く名前ではありますが、どのようなボールかよく理解できていない人も少なくないと思います。
私が野球小僧であった約35年前、プロ野球に真っスラと呼ばれるボールを投げる選手がいました。その真っスラが今ではカットボールと呼ばれるようになっているようです。
そんなカットボールについて、今回はどのような特徴があるかといった事から、握り方を右・左の両方写真入りで解説します。投げ方やイチオシのカットボールの使い手もご紹介しますね!
■目次(クリックすると飛びます)
カットボールってどんな特徴があるの?
カットボールは別名「動く球」、又は「ムービング・ファストボール」と呼ばれています。ストレートと変わらない球速ながら、打者の手前でボールが少し動くことから命名されました。一般には、打者の手元でボール1個分程度、投手の利き腕とは逆の方向にボールが動きます。
ちなみに、カットボールは変化球の分類上、ストレート系ではなく、スライダー系として区分されています。そこから、カットボールを「高速スライダーと」呼ぶこともあります。
残念ながら、日本では硬式野球ボールの違いなどから、アメリカ大リーグのようにカットボールを決め球とする投手はそれほど多くありません。
カットボールの特徴は、変化が小さいことから打者の空振りを奪うよりも、打者のバットの芯をはずして凡打に討ち取る変化球になります。従って、1球目からカットボールを投げ込み、打者を討ち取ることも可能になります。
投手の球数制限に厳しく、また初球から思いっきり振ってくる打者の多いアメリカ大リーグでは、効果的な変化球として活用されています。
アメリカ大リーグと比較をすると、日本はツーストライクになるまで、球筋や配球を観察する打者が多くなります。それでも、ストレートと同じ投球フォームから同じ軌道で打者に迫ってくるカットボールは、十分に決め球として通じる変化球です。
特に、日本ではカットボールを投げる選手が少ないことから、効果的な変化球とも言えます。その際、変化の大きさよりも、打者にストレートと勘違いさせることがポイントになります。
カットボールの握り方や投げ方を伝授!
カットボールはフォーシームの握り方から、人差し指を中指の方向へ若干ずらします。すると、握られたボールは、手のひらの外側に重心がずれることになります。
そして、ストレートと同じ投球フォームからボールをリリースすると、わずかに重心が外側にずれていたことで、ボールにスライダーと同様の回転が加わる事となるのです。
但し、スライダー程の大きな回転を加えないことから、球速はストレートと変わらずに打者の手元で小さく変化をすることになります。
ストレートと同じ投球フォームで投げられることから、ヒジや手首への負担が少ない変化球でもあります。カットボールを武器とする投手の多くは、ストレート代わりに投げ込んできます。
プロ野球でイチオシのカットボールの使い手は?
日本のプロ野球界でカットボールの使い手と言えば、2017年に現役を引退した川上憲伸投手です。中日ドラゴンズのエースとして活躍した川上投手ですが、カットボールを覚えたのはプロになってからです。
アメリカ大リーグでカットボールの使い手として最も有名な、マリアノ・リベラ選手のビデオから独学で習得をしました。ちなみに、リベラ投手は配球の9割がカットボールと呼ばれるほど、多投をした選手です。
打者側の立場にすると、カットボールが投じられていると解っていても、討ち取られていたことになります。川上選手もリベラ選手に憧れてアメリカに渡ると、アトランタ・ブレーブスに所属しプレーをしました。
残念ながら、川上選手はアメリカ大リーグで良い成績を収めることが出来ず、わずか2年で帰国をし、再び古巣の中日ドラゴンズのマウンドに立ちました。
中日ドラゴンズでは、チームのエースとして活躍をし、最多勝2回、最多奪三振1回のタイトルを獲得しています。チームの優勝にも大きく貢献をし、2004年には年間MVPにも活躍いたしました。
川上投手は球速130KM後半のカットボールを武器に通算117勝をあげ、日本野球界最高のカットボーラーとも呼ばれています。
まとめ
今回は、野球のカットボールについて特集してきましたが、いかがだったでしょうか?日本では馴染みの薄かったカットボールですが、今では多くのプロ野球のピッチャーが投げるようになりました。
バッターから空振りを奪うようなタイプではなく、1球で凡打に打ち取る事が出来て、体への負担も少ないカットボール、これからもピッチャーにとって重宝するボールとして投げ続けられる事でしょう。
最後までお読み頂き大感謝!みっつでした。