こんにちは、みっつです。
2017年の4月に、東北楽天ゴールデンイーグルス対北海道日本ハムファイターズの試合を見に行った時の話です。
イーグルスの藤田選手がバッターボックスに入った際、相手ピッチャーの投げたボールが藤田選手の頭を直撃!両チームの選手が出てきて、険悪な雰囲気に。そこで審判は、警告試合を宣言したのです。
実は警告試合ってどんな事なのか、当時の私は知りませんでした(^_^;)
今回は、この警告試合についての特集です。警告試合の意味や宣言された場合どうなるか、実際の警告試合についてお届けしていきたいと思います。
■目次(クリックすると飛びます)
野球の警告試合とはどんな意味?
まず、警告試合とはどのようなものなのかを解説していきたいと思います。
警告試合とは、試合中に何らかの理由で両チームが対立してしまい、その後の仕返しや乱闘を未然に防ぐために、危ないプレーをした選手や監督・コーチを退場させると警告した試合です。
最初に紹介した私が観戦した試合の場合、デッドボールを受けた楽天の藤田選手に対する仕返しで、例として逆に楽天のピッチャーが日本ハムの選手にデッドボールを当てたら、当てたピッチャーは退場となるのです。
日本プロ野球の警告試合は、試合の球審が警告試合を宣告することで、発動するものです。ただし、警告試合は日本プロ野球の公認規則で規定されているものではなく、あくまでも、野球に関わるものとしてのモラルから、合意を受けて取り入れられたものです。
どんなケースで警告試合となるの?
警告試合の原因となる野球試合中に発生する主なトラブルとしては
- デッドボールによる投手と打者とのトラブル
- ランナーの危険なスライディングによる選手間のトラブル
- 判定を不服とした選手と審判とのトラブル
といった事があります。
一昔前ならば、試合中の乱闘シーンも、ファンにとってはひとつのショーアップとして受け入れられていました。しかし、近年では、子どもたちへの悪影響を懸念する風潮が高まり、ほとんど見られなくなりました。
現在、日本野球機構では、審判団が警告試合を宣告することで、選手間での報復行為を防ぐ事を目的にしています。審判員はそれを報復行為と判断したならば、理由の有無を問わずして、対象の選手や当該チームの監督に退場を宣告することができます。
警告試合になったらどうなるの?
警告試合は、乱闘や暴力行為などから報復行為の危険がある時に、審判団の判断により宣告されます。例えば、デッドボールの場合、必ずしもボールが頭部に当たる危険球でなくても、警告試合が宣告されることもあります。
ボールが当たった場所ではなく、デッドボールの要因が故意か否かを判断することになるのです。トラブルに遺恨があり、険悪な雰囲気が漂っていると、警告試合の宣告が検討されます。
審判によって警告試合が宣告されると、その瞬間から報復行為に対して、厳しい対処がなされるようになります。もしも、報復とみられる行動が確認されると、審判団は対象の選手または監督、コーチを退場にすることができます。
警告試合によって変わることは、退場処分のハードルがぐっと下がり、軽度な挑発行為でも適用されることです。
なお、警告試合が宣告された後に、さらに悪質と取れる行為がやまなかった時には、没収試合が宣告される可能性もあります。ちなみに、没収試合は過去に一度だけありますが、警告試合から没収試合に進んだケースは、まだ一度もありません。
警告試合と没収試合・退場の関係とは
警告試合や没収試合、退場は、平穏に試合が行われている場合は宣言されたり受けたりする事はありません。警告試合と没収試合・退場の関係は
- 試合中の何らかの理由で選手が退場し警告試合が宣言される事もある
- 警告試合となってから危ないプレーをしても退場処分になる
- 警告試合になって退場処分や多発するなど収集がつかなくなると没収試合
といった感じになります。
実際に起った警告試合4つのケース
それでは、実際に起った警告試合を、4つご紹介したいと思います。
日本プロ野球界初の警告試合
1998年7月31日 巨人対阪神の伝統の一戦において、日本プロ野球界初の警告試合が宣告されました。この試合の中心にいたのは、ドミニカ出身のバルビーノ・ガルベス・ヘレス投手(以後、ガルベス投手)です。
読売ジャイアンツに入団3年目のガルベス投手は、6回裏の阪神の攻撃、この回の先頭の坪井選手に投げた決め球をボールと判定されたことに苛立ちます。そして、その直後に投じたボールがホームランになったことで怒りが爆発します。
主審の橘高氏にクレームをつけると、ベンチに引き下がる際には、ボールを球審にめがけて投げつける悪質な行為がありました。
なお、この時のボールは主審に命中することなく、大事には至りませんでしたが、あるまじき行為として、その後厳しいペナルティが課せられました。
3者連続デッドボールで警告試合
警告試合の要因として最も多いのがデッドボールです。その死球を3者連続で与えて、警告試合が宣告されたゲームがあります。
2015年5月5日、オリックス対日本ハムの試合において、オリックスの塚原投手が、9回の表に3者連続で死球を与えました。塚原投手は、元々コントロールの悪く、これまでも死球を多く与える投手でした。
今回、死球が故意でなかったとしても、3者連続は異常と判断し、両チームが感情的になる前に警告試合を宣言したことになります。
セ・パ交流戦での警告試合
セ・パ交流戦でも警告試合は起きています。
2017年6月15日、巨人対ソフトバンクの試合中において、ソフトバンクの森投手が巨人の陽選手の頭部にデッドボールを与えてしまいます。これが原因で、両チームの選手がベンチを飛び出し一触即発ムードとなり警告試合が宣告されました。
このとき、ソフトバンクの森投手は故意に巨人の陽選手にデッドボールを与えたものでなく、陽選手のケガもありませんでした。しかし、激昂した陽選手がソフトバンクの捕手を突き飛ばしたことで、騒ぎが大きくなりました。
野球界の暗黙のルールを破って警告試合
2013年3月9日、WBCのカナダ対メキシコ戦で事件は起きました。WBCは2006年3月に世界16ヶ国・地域が参加して第1回大会が開催されました、野球の世界一決定戦です。
6点の大量リードをするカナダチームが、9回の攻撃でバントヒットを狙ったことがトラブルの発端となりました。その背景として、アメリカ大リーグでは「大量の得点差がある時にバントをしない」とする、暗黙のルールがあります。
これはカナダの選手も重々に承知をしていることですが、WBC特有のルールでは得点率が順位に影響を及ぼすことから、追加点を求めたプレーが誤解を生むことになりました。
残念ながら、このバントヒットの行為に憤慨したメキシコチームの投手が、次の打者に対して故意に危険球を投じたことから警告試合が宣告されました。
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まとめ
今回は、野球の警告試合について特集しましたが、いかがだったでしょうか?
一生懸命である裏返しとも言えるのですが。警告試合を宣言される状態は、決して良い状態とは言えませんよね。選手には厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、プロはファンがあってこそ成り立つもの。
気持ちをグッとおさえて、ファンに夢をあたえてくれる存在であり続けて欲しいと願っています。
最後までお読み頂き大感謝!みっつでした。