こんにちは、みっつです。
日本のプロ野球での応援というと、どのような事を思い浮かべかますか?選手の応援歌に合わせて声援をおくるのも定番ですよね。そして忘れてはならないのが、ジェット風船を飛ばす事ではないでしょうか?
今でこそ見慣れた風景ではありますが、なぜ野球場で風船を飛ばすようになったのか不思議ですよね!
今回は、日本のプロ野球でなぜ、ジェット風船を飛ばすようになったのかや飛ばすタイミング、値段などをお伝えしていきます。
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なんでジェット風船を飛ばすようになったの?
現在、日本のプロ野球では、ジェット風船を飛ばす応援が定着していますが、元々は阪神タイガースが本拠地とする阪神甲子園球場で始まり、今では、たくさんの球場でジェット風船による応援が見られます。
ホーム側の球団を応援するファンが、7回(ラッキーセブン)の攻撃が始まる前に、勝利の願いを込め、ジェット風船を天高く飛ばします。最近では、アウェイ側の球団のファンも、ラッキーセブンの攻撃が始まる前に、ジェット風船を飛ばすケースも増えているようです。
このジェット風船による応援は、1978年(昭和53年)に阪神甲子園球場の阪神VS広島の一戦で、広島側のファンが始まりとされています。
阪神甲子園球場で関西在住の広島ファンがジェット風船を飛ばしたのは、紙吹雪の使用を禁止されたため、代わりにおもちゃ店で安価に売られていたジェット風船を飛ばしたことがきっかけです。
敵地に乗り込んで戦うアウェイ側のファンが始まりになりますが、いつの頃からか、ホーム側になる阪神タイガースのファンによる応援として定着しました。そして、阪神甲子園球場で阪神ファンのジェット風船を飛ばすシーンが話題となり、各球団のファンへと広まっていきました。
熱狂的なファンが多いことで有名な阪神タイガースだからこそ、ジェット風船を飛ばす応援が広まったともいえます。
ちなみに、阪神甲子園球場は他球団の球場よりも大きく、観客席数も多いことで有名です。2018年時のプロ野球本拠地球場の収容人数は、阪神甲子園球場が一番多く47,508人、2番目が東京ドームの45,600人、3番目が札幌ドーム42,270人です。
特に、阪神甲子園球場は内野スタンドよりも外野スタンドの方が大きいことから、阪神タイガースの熱狂的なファンは、外野スタンドで陣取り応援を致します。
広い外野スタンドを埋め尽くした、阪神ファンが一斉に放つジェット風船の光景は、球場に足を運んだ観客に感動を与えます。元々ジェット風船はプロ野球の応援グッズ用として開発されたものではなく、古くから玩具用として製造されていたものです。
そして、当初、まばらに打ち上げられていたジェット風船を、観客が一斉に空高く打ち上げることを思いついたのが、阪神タイガースのグッズを製作するシャープ産業の小林会長です。
なお、シャープ産業は世界で初めて、プロ野球球団のグッズを製造販売した会社といわれています。小林会長は阪神タイガース球団と交渉をし、ラッキーセブンの攻撃に一斉に飛ばす合意を取り付けます。
そして、跳び過ぎてグラウンドの選手に迷惑を掛けないように、タイガーゴムと共同でジェット風船の開発を行いました。
ジェット風船を飛ばすタイミングやコツ
ジェット風船を飛ばすタイミングやコツを、阪神甲子園球場の一連の流れで説明を致します。
7回表の相手チームの攻撃が始まると、ファンはジェット風船の準備に取り掛かります。ただし、この時点で風船を膨らませる人は、よほど気の早いファンです。
ジェット風船はゴム質が固いことから、膨らませるには相当の肺活量が必要です。子供や女性のなかには、ジェット風船を膨らますことのできない人もいます。
ハンドポンプを使用する球場もありますが、阪神甲子園球場ではお互いに助け合って膨らませます。
ジェット風船を膨らませるコツとして、事前に風船を良くもみほぐすことです。7回表の相手チームの攻撃を観戦しながら、まずはゴム質を柔らかくする作業を致します。それにより、ジェット風船は幾分か膨らませやすくなり、途中で破裂することも減少します。
やがて、7回表の攻撃が2アウトになると、いよいよジェット風船を膨らませ始め、相手チームの攻撃が終了と同時に、膨らませ終えるのがベストタイミングです。
余り早くに膨らませると、空気が抜けたり、突起物に触れて破裂したりするからです。
攻守交替が進むと、バックスクリーンに「ラッキー7」の文字が表示され、球場に軽やかなファンファーレが流れます。甲子園を埋め尽くしたファンが、音楽に合わせて色とりどりのジェット風船を上下に振ります。
そして、音楽の終了と同時に無数のジェット風船を、大空に舞い上げます。
ちなみに、TV中継は攻守交替の際にはCMを流すのが一般的ですが、阪神甲子園球場のジェット風船を飛ばすシーンだけは必ず放送されます。
また、阪神甲子園球場では、試合に勝利した際に、試合終了後にジェット風船を飛ばす習慣があります。スタンドの観客全員で阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」を合唱した後、ジェット風船を飛ばして勝利の余韻に浸ります。
ジェット風船を飛ばせる球場はどこ?
阪神甲子園球場から広まったラッキーセブンのジェット風船による応援は、神宮球場、ナゴヤドーム、東京ドームの3球場以外で実施されています。
ただし、ジェット風船の使用に制限を加えている球場もあります。ヤフオクドーム、マツダスタジアム、横浜スタジアムでは、屋根までは届かないように作られた、専用の風船のみ許可されています。
どちらも、甲子園のように天高く舞い上がるのではなく、飛距離が出ないように工夫されています。例えば、ヤフオクドームであれば天井に当たらないことが目的であり、マツダスタジアムは球場の近くを走る新幹線に配慮をしたものとなっています。
横浜スタジアムも同じく、近くを走る電車に支障を与えないことが目的です。特に、横浜スタジアムは、球場の外へ飛び出したジェット風船が、市の条例の「ポイ捨て・喫煙禁止」に抵触することから、球場外への飛び出しには気を使っています。
また、ジェット風船の使用は認めているが、その使用方法に条件を設けている球場もあります。北海道日本ハムファイターズの本拠地の札幌ドームでは、衛生面からジェット風船を口で膨らませることを禁止しています。
そのため、ジェット風船を飛ばすファンは、ハンドポンプを使用することが義務付けられています。
なお、ジェット風船を飛ばす際は、チームカラーの風船を飛ばすのが一般的です。広島東洋カープならば赤一色、横浜DeNAベイスターズのファンは青色のジェット風船を飛ばします。
その他にも、福岡ソフトバンクホークスは黄色、東北楽天ゴールデンイーグルスは赤色のジェット風船を基本とし、勝利の時には白色を飛ばします。埼玉西武ライオンズは青一色、千葉ロッテマリーンズ白一色のジェット風船が基本です。
オリックス・バファローズもラッキー7に青色のジェット風船を飛ばし、勝利時には金色を飛ばします。
ジェット風船の色使いでもユニークなのが、阪神タイガースです。チームカラーは黄色ですが様々な色のジェット風船が販売されていることから、カラフルに飛ばします。
ただし、対戦相手チームのチームカラーと、読売ジャイアンツのチームカラーでありますオレンジ色だけは飛ばさないのが鉄則です。特に、対戦相手でもないからと、読売ジャイアンツのオレンジ色を飛ばしていると、「にわか阪神ファン」として、周囲から冷たい視線が浴びせられるかもしれませんね。
ジェット風船の値段っていくら位?
ジェット風船の値段は4~5個入りで200円~300円が相場です。例えば、阪神タイガースのジェット風船を見ると、楽天市場では4本入り216円で販売されています。
![]() 阪神タイガースグッズ NEWラッキー風船(ジェット風船) |
阪神タイガースのジェット風船は、製造メーカや形状、デザイン、そして長さも20cm~25cmと幅広く、バラエティに商品が用意されています。
ネットショップでの購入も可能ですが、球場に行った時に買うことも可能です。料金はネットショップとほぼ同じと思われます。
ジェット風船を片付ける試み
飛ばされたジェット風船は、球場職員および清掃員等で片付けられます。例えば、阪神甲子園球場では、7回の表の攻撃が終了すると、球場のスタッフ等が内外野のフェンスに沿って一列に並んで、グラウンドに落ちたジェット風船の回収に備えます。
跳びすぎてグラウンドの選手に迷惑を掛けないように、ジェット風船は開発されていますが、実際には大量のジェット風船がグラウンドに舞い落ちているのです。
また、阪神甲子園球場では、場外に飛び出すジェット風船も少なくありません。木の上に引っかかったジェット風船は、試合終了後にバケット付きの車で回収作業が行われます。
その一方で、東北楽天イーグルスの本拠地宮城球場では、ジェット風船を片付ける方法として、面白い試みをしています。ラッキーセブン等の攻撃で飛ばされたジェット風船を10個集めてエコステーションに持ち込むと、子供に限り特製のステッカー1枚と交換されるのです。
過去には選手と一緒に片付けるイベントも実施されたことがあります。
まとめ
今回は、プロ野球のジェット風船での応援について特集してきましたが、いかがだったでしょうか?何となく甲子園球場が発祥かなとは感じていましたが、アウェーの広島カープの応援団が始めたというのは意外な感じでした。
ジェット風船は飛ばしてしまえばゴミとなってしまいます。その処理に頭を悩ませる球場も多い中、楽天イーグルスの試みは面白いですね!
楽しむ時は楽しみ、終わったら後片付けをして気持ちよく帰る、そんな事がもっと定着すると、プロ野球観戦ももっと楽しくなるでしょうね!
最後までお読み頂き大感謝!みっつでした。