こんにちは、みっつです。
野球のポジションは9つありますよね。守る場所って、だいたいが下の図のようになるのではないしょうか?
ところが、このような守備位置とは大きく異なる場所に守るシフトが、過去にはありました。それは、あの世界の王と言われている王貞治選手がバッターボックスに入った際に見られる王シフトです。
今回は王シフトを特集します。王シフトはどんなシフトだったのかや誕生秘話、効果があったかを検証しますので、楽しみにしていてくださいね。
■目次(クリックすると飛びます)
王シフトってどんなシフトだったの?
王シフトは、通常シフトと王シフトのイラストを比較してみると良く解ります。再度、通常シフトの図をご紹介します。
そして、こちらが王シフトの図です。
まず、内野の守備体系を見ると、ファーストの選手はより一塁ベースを守り、自身の左を抜ける打球を防ぎます。一塁ベース付近を抜ける打球は、長打に繋がるからです。セカンドの選手は、通常は二塁ベース寄りにポジショニングをとりますが、王シフトではベースのちょうど中間を守ります。
そして、王シフトの一番の特徴が、ショートの選手の守備位置です。二塁ベースの後ろにポジショニングをとり、センターラインを守ります。最後に、サードは本来のショートの位置で守備します。
次に、外野の守備ですが、こちらも全体的に右寄り守備位置となります。センターは右中間を、レフトは左中間の位置で守備をすることになります。
図を見ると、キャッチャーからピッチャーを通り、バックスクリーンに向けてセンターラインを結ぶと、その左側を守備するのは、サードとレフトの2名だけにであるのが解ります。
ちなみに、1972年の日本シリーズ第1戦では、巨人と対決をした阪急ブレーブスが、更に進化させた王シフトを敷きました。センターを右中間に配置し、遊撃手をセンターに守らせることで、外野手を4人にするという斬新的なものでした。
このときの打席で、王選手はバックスクリーンに大飛球を飛ばしますが、遊撃手が捕球したことから、ショートフライとして記録される珍エピソードが生まれています。
王シフトはなぜ生まれたの?
王シフトが始めて敷かれたのは、1964年5月5日のこどもの日に、広島を迎えたホームゲームでの事です。当時、高度経済成長期の日本で、テレビ中継の普及に合わせて、巨人は圧倒的な実力と国民の指示を得た人気チームでした。
特に、王選手・長島選手・国松選手が並んだ、巨人のクリーンナップは爆発的な威力を発揮していたのです。そこで、広島カープの白石監督は、王選手か長嶋選手のどちらかだけでも抑えたいと考えました。
「対策しやすいのはどちらなのか」と、検討を加えた結果、直感力の鋭い長嶋選手は対策が難しいと判断し、王選手に照準を当てるように分析を試みました。
その結果、白石監督は、王選手の打球の約7割がライト方向へ飛んでいるいことに気付きました。「ならば、守備位置を右に寄せればいい」と思いつき、「王シフト」が考え出されました。
王選手が故意にレフト方向へ流し打つリスクを抱えることで、周囲からは多数の反対の声が起こりましたが、王選手の性格を見抜いていた白石監督は、周囲を説得し実行に移したのです。
かくして、1964年5月5日のこどもの日、ダブルヘッダーの第2戦目で、初めて王シフトが実行されました。
しかし王選手は、狭くなった右中間の間を抜くような強い打球を目指し、故意にレフと方向へ流し打つことは考えませんでした。
実際に効果はあったの?
初めて王シフトが敷かれた試合で、王選手は4打数3安打の成績を残しました。それでも、1964年のシーズンを振り返ると、王シフトを実行した広島カープは、他球団よりも対戦打率や被本塁打の数は低く抑えらました。
広島監督の白石監督が初めてチャレンジした王シフトは、多少の効果はあったと判断されたのです。それ以降、王シフトを取り入れる球団が増えたことから、周囲もその効果を認めたといえます。ただし、王選手はこのシフトを苦にしている様子はほとんどありませんでした。
初めて王シフトがしかれた1964年に、年間55本の本塁打を放ち、日本新記録を打ち立てましたが、9割以上が王シフトを敷く選手の頭上を飛び越えた本塁打でした。
王選手はあくまでも自分のスタイルを貫き通し、有言実行を成し遂げたことになります。このような極端な守備位置を敷くことは、王シフト以降に度々見られるようになりました。
⇒野球の守備位置!名前って?どこ守るの?図とともに徹底解説!
まとめ
今回は、王シフトについて特集してきましたが、いかがだったでしょうか?何とか王選手を抑えたいと、画期的な守備位置を考案した白石監督、自分のスタイルを変える事なく大活躍した王選手、ともに素晴らしかったですね。
王シフトのような、アッと驚くようなシフトが増えてくると、楽しいですよね!新たなシフトを是非とも見てみたいものです。
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最後までお読み頂き大感謝!みっつでした。